The Colour in Anythingのアルバムインタビュー、今回はGQでのインタビューも面白かったので訳してみました。それにしても、インタビューを読んでいると、James Blakeも普通の20代の若者ですよね、話し方が。。
GQ:さて、みんなは常に君の音楽がいかにすごく悲しいものかって話してるみたいだけど。
James Blake:やつは不機嫌なばかってことさ。
G:じゃあ自分をハッピーにしてくれる3つのことを教えてください。
J:おっと。そうだね。僕の彼女はすごく楽天的な性格で、いつも僕のことをすごく笑わせてくれる。ものすごい面白いひとなんだ。それじゃあこれですごく面白いひとっていうのを挙げたよ。これはめちゃくちゃ大事なことなんだ。他はって?何のためでもなく音楽を演奏することかな、レコードの為でもなく、レコード契約を満たす為でもなくね、つまり計画的じゃない楽しみかな、でもジャムセッションとかそういうのは僕はちゃんとやってないんだけど、もっとやるようにしだしたよ。それからビデオゲームだね。
G:そうなの?好きなビデオゲームは?
J:すごい色んなのをやったよ。オールドスクールなやつ、例えば80年代初期のQuakeとかさ。それこそいろんなRPGとか。それから、大乱闘スマッシュブラザーズだね。
G:何の目的もなく音楽を演奏しているときの音楽は普段のリスナーにとってはびっくりするようなものだと思いますか?
J:そうだと思うよ。とても自然体だと思うし、っていうのもレコードを作る時ってそれが吟味されつくされることがわかってるわけだよね。でもジャムセッションだったり、ステージの上だったりするところでは台本通りにやるっていうことはないし、なんでも起こり得るんだよ。他のミュージシャンたちと繋がったと思える瞬間があるんだ。たまにConnan Mockasinとも演奏するんだけど、彼はすごいギタリストでありシンガーでもあり、レコードも最高なんだ。彼と一緒に演奏すると、ステージの上ではすごく自由になれる気がするよ。僕初動き回るのが好きだからさ。
G:私が言いかけたのは、彼の音楽はすこし、ゆるゆるでバカっぽいところがたまにありますよね。
J:そうそう。僕もぶっちゃけステージでダンスしたり動き回ったりするよ、誰も見たことがない感じにね。でも彼のそばにいると何でもできる気がしてくるんだ。きっと僕が何かの種の人間だからって思われてるからだと思う。
G:何事にも細かい人間だって思ってます?
J:そう、ちょっとね。それにひとは大体そこまで僕のことをそんなにゆるい人間だとは思ってないっていうだけだと思うんだけど、もし僕らのライブを見ればさ、まあそんなにないと思うけど。昨夜は僕らで20分も訳がわかんないハウスミュージックをやってみたりしたよ。こういうことやるのが好きなんだ。クラブにいるときは楽しいよ。
G:クラブで演奏するのがっていうことがですか?それとも友達とクラブに行くことがですか?
J:どこかちゃんとしたテクノの場所があればさ、ベルリンのBerghainとかもっと暗くて、カメラも電話もないところ。ただすごく良いサウンドシステムがあるところだよ。こういう種のトライバルテクノのね。アメリカにはあんまりないけど、ヨーロッパだともっと普通にあるんだ。そういうところが好きなんだよ。
G:なるほど。なんだか私たちが、みんなあなたに対してこういう見方をしているって言っているみたいですね。今までそれについて考えたことはありますか、今までそうなるように、、
J:ヒラリーみたいにってこと?
G:いえ、私みたいな人間と話すときに計算してるかっていうことではなく。つまり、それについて考えたことはありますか、みんながそういうふうに思ってくれなければいいのにと思ったことはありますか?
J:多分こういうことは僕がデビューし始めたころのことから来てるんだと思うんだ、僕はちょっと神経質になってたから。自分の音楽のことを他人に話すときにもちょっと自己防衛気味になってたんだ、”僕は自分で全部やるんだ。これは全部僕がやったし、これは僕のものだ。誰もこの音楽には関わってない。僕が全部手がけたんだ。”ってね。誰かが台無しにするんじゃないかって心配だったんだよ。それか僕の発言を誤解するとかね。ただただそういう準備ができてなかったんだ。21になって、いきなりインタビューされるようになって、みんな僕がやっていることよりも僕は言いたいことがたくさんあるんじゃないかって思われてた。それかみんなは僕のことを知りたがるけど、僕は知られたくなかったか。インタビュアーも僕に対しては慎重になってるように思えて、僕は自分を守ろうとしてたんだ。それだからそういうのは好きじゃなかった。
G:それは確かだと思います。
J:悲しいことにね、僕の初期のインタビューはそういうのばっかりだよ、そういう意味では僕はいろんな人と上手くやってたとも思わないし。自分がそんなに社交的な人間だったとは思わないね。
G:そのときあなたが作っていた音楽も、そういうサウンドがありますよね。
J:ほとんどはかなりヘビーで、思うに最初の三作ではそういうことを経験してきたと思う。ともかく、感情的な重さがあると思うんだ。
G:今作はそういう重さは軽くなったと思いますか?
J:ちょっとまだ重みはあるよ。こういう世界に対するポジティブな見方にはなってきてるとは思うけどね。
G:それはFrank Ocean(The Color in Anythingで2曲提供している)のおかげですか?
J:違うよ。笑
G:そうですよね、私もFrankが実際そういう人間なのかどうかは知りませんが。でも二人は共通する感情がありそうですよね。
J:そうだね。いや、実をいうと彼はすごく面白い人だよ。あとはなんていうか、すごく頭が良くて面白いんだ。彼はたぐいまれなマインドの持ち主でさ、だから彼と話すのはすごく楽しいよ。
でも、そうだな、音楽でいえば確かに重かった、こんなふうに思ったって仕方ないと思う、”ああ彼はヘビーな人間になるんだ”って。ちょっと悩んだのが、僕の音楽って、つまり感情的にすごくヘビーな僕なわけで、っていうのも僕はなにかが感じられるまで待っていて、それからそこで音楽を書いて、自分をそういう考えに押し込めるんだよ。僕がそういう人間なんだと思っている人とインタビューしてると、僕がやりたくなることといえば、、
G:そういう感情とか叫びについては語りたくなくなる?
J:何でもだよ。正直なんでもいいんだ。コーヒーを飲んでどうでもいいなんでもないことで笑いたくなる。自分が彼らの望む人形になるみたいだよ。
G:これまでで好きなコメディ映画はなんですか?
J:いい質問だね。Spinal Tapとか、、初期のSteve Martinが好きなんだ。Will Ferrellの大ファンなんだ。あとはOfficeも好きだね。オリジナルの方だよ。
G:イギリス版のOfficeですね。
J:そうそう。僕はまだそっち側の人間なんだ。Peter CookとかDudley Mooreも好きだね。その二人はイギリスのコメディのパイオニアだともいえるし、ラジオ番組もやっててさ、ていうかラジオ番組みたいに作られてるんだけど、Derek and Cliveって名前なんだ。本当に良いよ。他のコメディでいったら、そうだな、イギリスのコメディは大好きだね。Curb your Enthsiasmが好きだな。
G:好きなエピソードは?
J:野球の試合で売春婦が出てくるやつ。
G:”The Carpol Lane”ですね、
J:そう、”The Carpool Lane”。
G:私が聞く質問の中で唯一Kanye Westが出てくることを聞きますが、二人はWill Ferrellについて話したことはありますか?
J:Will Ferrell?ないよ!
G:KanyeはWill Ferrellが好きって知ってるだけなんですけどね。
J:僕が彼とそのとき話したのは本当に音楽とファッションの話だけだよ。彼がそうなのかも知らないけど、そのときは彼が考えたデザインを見せてくれて、それが全部Yeezyのになったんだよね。うん、だから面白かったね。僕は”うわあすごい。軍のやつに何か足した感じ。”って言ってさ。そのときは本当にそういうのは見たことなくて。
G:こう言ったのはあなたのインタビューは全部見出しにKanyeの名前が出てるやつだったもので。
J:うわ最悪だ。いつ終わるんだろうね?
分かるだろ。だから聞きたかったんだよ。最初レコードに取り掛かったときは、”誰にこの曲を手掛けてもらおうかな。ラップを取り入れてみたいな。”って思ってて、実際いくつか取り入れた。誰にしようか考えてて、KayneやVince Staplesの名前が最初に頭に浮かんだんだ。Kaeyeとはやってみようとしたけど、うまくいかなかった、でも彼は素晴らしかったよ。本当に刺激的なひとなんだ。本当に会えば別れる時には何かに刺激を受けているんだ、それがなんでもね。でも最後にはなんていうか”マジかよ”って思った。もうこれは言ったけど、誰かが”もうコラボのアイデアは何か思いついた?”って聞いてきて、僕は”彼が来てくれればいいけどね”って言ってた。もしアメリカでも、まあどこでも彼の名前を口にすればね、ほら彼って有名だから、その時はそんなこと考えなかったんだけど。僕はいつも正直だし、色んなところで真実に忠実にして、自分が何にワクワクしてるか話すようにしてるんだ。それがこうはならないかって不安だったんだ、”なあ自分のアルバムにKayne Westが参加してくれることになったんだ!みんなワクワクしてるよ!”って。そういうことを考えてたたわけじゃないからさ。
G:そうですね、スーパーマリオみたいですね。Kanyeはなんというかクリックさせるキノコみたいですね。見出しに彼の名前があればもっと出てくるという。
J:本当にね。そこらじゅうにある感じだよ。本当どこにでもあるんだ。それに悩ましいのが、自分のせいだったってことだよ。彼にそんなのは読ませたくもないし、それに
G:つまり”なんでそんなくそみたいなことを言い立てるんだ?”って感じですか?
J:そう。そこからは本当にかなりのことを学んだよ。だからってレコードがまだ出てないのに誰とコラボしたのかなんて言っちゃった言い訳にはならないけどね。
G:それといえば、Chance the Rapperと数年前に一緒に住んでいたというのは事実ですか?
J:いや、住んでないよ。最初考えてたのは、誰かを呼んで何日か何週間かレコーディングしようかってことだったけど、それに居てもらう場所もあったしね。だから僕らはそのことを話し合ったんだけど、長々とそのことについて話したわけじゃないから、彼がスタジオ付きの部屋を借りたんだ。一応レコーディングは試して見て、それはすごく楽しかったんだけど、僕は他に住むところがあったし、彼にはちゃんとしたスタッフがいてさ。まあ空いてたベッドも埋まってただろうし。結局最終的には何も作らなかったんだ、でも彼は面白いひとだよね、まあイングランド的な言い方でいえば。
G:もしインターネットで二人が二段ベットでお揃いのパジャマを着て寝てるように見せたらどうですかね。
J:正直そういう質問がしばらく付いて回ったよ、っていうのも彼がMTVに出演した時に、”俺は今James Blakeと一緒に住んでるんだ”とか言っててさ。文字通りLAにある僕が住んでた方のもうひとつの家方を指してね。で、”君と一緒に住んでるとは思ってないよ”って感じだった。
G:あなたが自分の家を見て”ちょっと待て、Chanceがここにいるの?”って言っているのが想像出来ますね。
J:うん、物置とかに彼がいないかって探してさ。
G:LAの日差しは新しいアルバムの方向性を示してくれたと思いますか?
J:”Noise Above Our Heads”の最初のリフはちょっとマリブーっぽく聞こえると思うよ。レコードにもないようなシーンだね、マリブーっぽく聞こえるんだ。それかその時自分の頭の中にあったのがマリブーっぽい音だったのかも。
G:Pitchforkで以前このレコードを制作する前に、健康にならなきゃと話していましたよね。健康を保つためにはどうしてるんですか?グリーンジュースですか、ヨガですか?
J:いや。何も運動とかはしてないよ。したいんだけど、そういう風には自分を奮い立たせられなくて。30歳に近づいてきてるし、始めるべきなのかもね。でも頭の中とか健康ということでは、その時々の時間を楽しんで、自分のために立ち上がって、自分が感じていることをそのままに話して、それから気分が良くなるものを食べて、気持ちが悪いものは食べないことだよね。最近こういうことを学び始めたところさ。僕はいま27だから、もっと前からそういうことを知っておくべきだったのかも。そしたらあんな憂鬱な音楽は作らなかったかもな。
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