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G.B.F !!!!





*ネタバレあります



Gay Best Friend...?




その名もゲイベストフレンド。

"オシャレなセレブやクイーンビーが今持つべき(Must-have)はゲイの親友"

これは主人公のコミックオタクな地味メンズ(そしてゲイ)、Tanner Danielsがスクールカーストの最下層レベルからトップのプロムキングにまで登りつめる理由である。

まあまず日本ではありえないストーリーである。日本ではゲイは男子校にしかいない(とされている)。主人公のTannerとその親友Brantはゲイでありながら、そしてG.B.Fも自分たちをスターダムにのし上げてくれると知りながらしかし、全校生徒にカミングアウトするつもりはない。あくまでこっそりとゲイの自分たちがクイーンビー達の横でキラキラと輝くスクールライフに憧れるのだ。




しかし、その夢は確かに素敵だが同じグルーピーのSophie(ぽっちゃりなゴスっぽいファッション女子)が指摘するように、"クイーンビー達の"セックスレス(性別のない)アクセサリー"もしくは"ツール"でしかないのかもしれない。つまり、彼女達がさらに輝くためのアクセサリーである。

だが、G.B.F.は結局、彼らがただのクイーンビー達のトレンドを追うための"アクセサリー"というだけではないというのはすぐに分かることである。

特にこれといってオチや複雑な伏線があるわけでもないが、このG.B.F.は色々な意味で新しい映画だ。

作品中、TannerはThe Bling Ringのようにカミングアウトに苦労するわけではない。全校生徒には、親友のBrantのお遊びで登録したゲイさがしSNSアプリがきっかけで大々的にバレてしまうわけだが、クイーンビー達の保護によって、彼は不当なイジメも受けることなく、いきなり彼女たちのホットでオシャレなゲイに早変わりする。さらに、彼は両親に対してもカミングアウトに関しては特に苦労はしない。彼が長年消していた"つもり"だったPCの履歴を見ていた彼の両親はTannerがカミングアウトする前から彼がゲイであることを知っていた。(じゃあもし僕がバイだったとしても?、という質問に対しても、"問題ないよ"、と答える心の広い、愛のある両親である。)もちろんすべてのゲイ達がこんな風に簡単にカミングアウト出来るとは言い難い。ゲイ達が乗り越えなければならない苦難のひとつにはもちろんカミングアウトすること、そして受け入れられることがあると思われるが、ここを難なくクリアしている時点でTannerにはさてどんな問題があるだろう?



この映画では問題、というよりもゲイであるTannerが生徒たちに与えたのは新しい価値観や新しい意味かもしれない。

クイーンビー達は完璧ではない、もちろん。確かに彼女達のアクセサリーではあるが、しかしある意味でTanner(含めG.B.F)は彼女達を完璧に出来るのかもしれない。

三年連続でベストヘアドレッサー賞に輝くブロンドのクイーンビーFawcettはホットなイケメンマッチョの彼氏に振られ、まともな友達もいない。いるのは取り巻きだけ。そんな彼女にTannerは本当の意味で友達、として彼女のそばにいる。


そしてコーラス&学校劇のクイーンで、マイノリティの味方であるCapriceは白人でホットな男女しかプロムキングとクイーンになれないことが不満である。(途中からその活躍が目立ってくるAshleyの取り巻きの一人だった女子(Evanna Lynch)は、最初からG.B.Fの存在に反対で、猛烈に反対する。結局負けるが。そして途中Tannerをプロムから締め出す作戦でCapriceと仲良くなった彼女は、CapriceのことをS.B.F(sassy black friend)(そろそろ面倒くさい)と呼ぶ)彼女の夢はTannerとプロムキングとクイーンとなることで、学校の伝統を破壊することである。



オシャレでエッジーなAshleyは可愛くて人気者だが、自分の彼氏がバイなことにも気が付かないおバカちゃんである。彼女は唯一Tannerをどうこうすることで何かを期待したり目指しているわけでもないが、どちらかというと彼女が一番Tannerをアクセサリー的に見ているのかもしれない。(いい人、と思ってはいるが)



そしてTannerは最後、Fawcettとプロムキングになる。さらに彼女の本当の友達になる。彼女にとってTannerは彼女の取り巻きの女友達とも、面倒な元カレとも違う。確かにゲイはそういう存在になれる。この映画はいうなればそう示唆してもいる。もちろん乗り越えるハードルは沢山ある。Tannerはそれを最も簡単な方法で、しかもサポート付きで乗り越えてしまうわけだが、これはポジティブな意味でのゲイのスクールライフ映画である。そう、ポップにポジティブであるための、今後そう捉えられるべきであろう。


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