ついにやってまいりました、Best Album of Year発表です。ではどうぞ。
1, Swans / The Sear
とにかく圧巻、の一言に尽きる一枚。全曲通すと軽く1時間半は悠に超える長さながら、全編通してSwansのパワフルで飲み込まれてしまうようなグルーブ。(ルーナーシー、ルーナーシー)
2, Cloud Nothings / Attack on Memory
今年はほとんどこのアルバムばっかり聞いていたような気がするぐらい。Hostess Club Weekenderでのライブもパンキッシュで素晴らしかったが、前作から一変してエモーショナルでSonic Youthなどのオルタナバンドの意思をついだようなオルタナティブな作品で、さすがSteve Albiniプロデュースとも言えるだろう。といいつつ彼は特に何もしてなかったらしいが、Dylanの心の底からの叫びを上手く汲み取って、それをよく伝えている作品だ。
3, Andy Scott / Luxury Problem
不気味すぎるほどに美しい霊的なボーカルが重なり、電子ノイズ音が鳴り、もうただひたすらに深い。
4, Spiritualized / Sweet Heart Sweet Light
私的に宇宙遊泳までとはいかないけれど、まさにSpiritualized節が聴いた作品だ。
いきなりHuh?のイントロでオペラのような壮大なクラシック曲で幕を開け、そんな彼の壮大すぎるロック節が繰り広げるアルバムは圧巻。I am what I amのようなゴスペルちっくな歌も素晴らしい。
5, Szymon Kalinski / From Scattered Accident
年末の仕事でお疲れのあなた、ぜひこれを聞いてください。さざ波と静かに響くピアノとが静かな朝の海を思わせる一枚。ひだまりの中で聴きたい。
6, Astrobrite / All The Star Will Fall
これまでの作品に漏れず、本当に素晴らしいシューゲーザーンバンドですね。全く衰えを感じさせないパワフルなノイズとグルーブの嵐。4年間の沈黙で大人しくなるどころかさらに攻撃的な面をましたように思う。ただのんびりとなんて聞いていられない。
7, The Revonettes / Observation
これまでのRevoettesは男女ボーカルのバランスの良いハーモニーとひたすらにギターのフィードバックが全面に押し出されたシューゲイザー作品だったが、今回はそのギターノイズはどことなくゆるく、またのんびりとしている。とても聴きやすい作品だと思う。
8, Sigur Ros / Valtari
この作品を聴いて最初、本当にSigur Ros?と思った。彼らに特徴的な美しい音の調べやJonsiの妖精のような歌声は少し影を薄め、実験的な効果音を全面に、ところどころ空白すら見えるような音作りが面白かった。
9, Lana Del Rey / Born To Die
2012年を揺るがしたアーティストに彼女の存在が必ず上がってくるが、スモーキーで低音が響くよもや演歌歌手としても通りそうな歌声。彼女を見ているとどことなく70sのアメリカ女優や、風とともい去りぬのような強くて、オーラたっぷりのフェミニンな女性を想い起こす。
10, Grimes / Visions
巷ではGrimes Fashionも流行っているらしいが、ちょっと変なオタクの女の子がトリッキーな格好をして奏でる音は、どこかキッチュだがBeyonceを真似して練習したというハイトーンヴォイスが異世界を醸し出す。
11, Ty Seagull & White Fence/ Hair
今年Tylerくんは大忙しに作品を続々リリースしていて、もちろんSlaughterhouseやTwinsなんかも次々と出していながらすごく完成度が高い作品なのだが、このWhite Fenceというまた奇才と組んだことでさらにそのぶっとんだオルタナ精神はぐちゃぐちゃになると思いきや、かなりまとまってすごく良いハーモニーを奏でている。
12, Metz / Metz
ブルックリンの新人ガレージロックバンドMetz、いきなりあのSub Popと契約である。さすが見込まれただけあって、勢いだけでなくメロディもちゃんとしっかりしている。今後に期待。
13, Chromatics / Kill For Love
正直ちょっと舐めていた。。。一時間半にも及ぶ長時間アルバムだが、映画のサウンドトラックをイメージして作ったと本人たちが語るように、全編が一つの長編映画のようである。
最初の部分の曲群ばかり聞いて、ふむふむ、なんてわかったつもりになってはいけない。
後半はもう前半とは桁違いのスケールだ。まさにそこには彼らの物語があり、同時にその世界に引き込まれずにはいられない。
14, DIIV /Oshin
こちらもブルックリン発、Beach FossilsのメンバーZacによる別バンド。彼はもうKurt Cobainの大ファンらしいが、Oshinのサウンドは全体的にちょっぴりサーフな、のんびりポップ。
かと思いきや、いきなりOshinのようなダークで凶兆すら思い起こさせるトラックが来て、Dousedである。いきなりセンチメンタルで陰鬱なロックスターが登場してくる。と思わせておいて、最後の締めはまたポップな曲が来て終了。彼の心は読めない。
15, d'Eon / LP
以前Grimesなんかと組んでいた彼だが、このいかにもカトリック的なマリア様とイエスのステンドグラスが描かれたジャケットに一瞬おののいてしまう。宗教的な感じは一切ないですよ。
音楽性なんかもGrimesに似通ったものがあるが、彼の場合はトラック名にもあるようにところどころ皮肉ともとれるような言葉が散りばめられているように、ウィットに富んでいる。
16, Sharon Van Etten / Trum
インタビューでは一度無一文になって...なんていう時期があったらしいが、作品の方は本当に素晴らしい。シンプルなオルタナフォークと彼女のハスキーな歌声がとてもマッチしている。
いやらしさは全くない、ただシンプルな歌がそこにある。
17, Holy Other / Held
前作のEPも聞いたのだが、絶対にこれ!!!
パワーアップしたのはもう言うまでもない。今のウィッチハウスを率いるまだ謎の多いアーティストだが、これからどんな進化をみせていってくれるだろうか。
18, Godspeed You! Black Emperor - Allelujah! Don't Bend! Ascend!
GY!BEのかなり長いブランクを経て(日本にもATPで2年前に来日していたが)発表されたこの作品だが、タイトル名からしてなんだかふざけているというか。(笑)
攻撃的で、壊れかけのオルゴールのような、統制を失ったオーケストラが一斉に騒音を奏で始めたような、恐ろしくもあり同時に続きが気になってしまうような。
19, Hammock / Depature Songs
シューゲイザーバンドなんだけれども、Sigur Rosのようなポストロック的な深みを持った曲群が、どこまでも突き刺さるアルバム。Mogwaiとかが好きな人には自信を持ってオススメできる。
20, A Place to Bury Strangers / Worship
とにかくこの作品はしょっぱなから飛ばしやがる。
いきなりハードロックのような重々しいドラムロールで幕を開け、ひたすらにギターノイズの嵐。
ライブ動画を見ていると、音源の方はいまいち迫力にかける気もするが、この作品は彼らの作品の中でも群を抜いてかっこいいのではないだろうか。
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