ロンドンのロックシーンから登場した、怪しいサイケの魔女たち。その名はMadonnatron。
Interview with Madonnatron
Fat White Familyを輩出したTrashmouseレコードからデビューアルバムをリリースした彼女たちは、正直デビューアルバムをリリースしたばかりとはいえど、ちょっと年齢層が高めな感じ。それもそのはずで、みんなそれぞれ主婦だったり、仕事をしながらバンド活動を始め、全く楽器を触ったことがないメンバーもいつつ、1.5年後にはなんとthe Moonlandingzともツアーに出たという。
まだまだ日本での知名度は低そうだが、最近ではまた注目のUKバンドNo FrindzとのコラボLPもリリースし、これからどんどん期待度が上がりそうだ。
まだまだ日本での知名度は低そうだが、最近ではまた注目のUKバンドNo FrindzとのコラボLPもリリースし、これからどんどん期待度が上がりそうだ。
今回はまだあまりインタビューも受けたことがなさそうな彼女たちから、デビューまでの軌跡や、バンドとしての志を聞いた。
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1. バンドはどのようにして始めたのですか?メンバーとはどうやって出会ったのでしょう?
Madonnatron (以下M): 私たちは本当にたまたま上手くして出会ってバンド結成が実現したの、最初はお互いのことは全く知らなくて…Melary (前フロントウーマンだった)がBethとStephを誘って、ある夜突然バンドをやろうとしたんだけど…Charlotte(Bethとその前から数年一緒に住んでた)数ヶ月後にベース加入してきたの…
2. バンド名はどこから来てるのですか?
M: このバンド名はね、架空の奇抜なポップクイーンへのオマージュとしてつけたんだけど、後から違う意味になったの…元々穏やかだと思われていたり、子育てをする女性のステレオタイプへの抵抗とか…自ら進んで自分でを汚そうとする女性とか、服従を拒む女性とか…
3. どんな音楽にこれまで影響されてきましたか?好きなアルバムを教えてください。
M: 私たちはメンバーが四人いるからひとつのこれだっていうお気に入りを上げるのは難しいんだけど…Iggy and the StoodiesのRaw Powerは絶対かな、CANのTago Magoもだし、Marianne FaithfulのBroken English、La FemmeのPsycho Tropical Berlin、PJ HarveyのTo Bring You My Loveもね…
4. 自分たちの音楽をサイケデリック魔女プログレと表現していますが、これはどうしてですか?
M: TrashmouthレコードのLiamが愛情をこめてそう言ってくれたんだけど…私たちの音楽を聴いた人は私たちの音楽は結構魔女的なセンスと結びつけてくれてるみたい。私たちはミュージシャンとして直感的だし、お互いのことを鋭く理解し合ってるし…これが私たちの音楽に反映されてるんだと思う。
5. Headless ChildrenのMVについて教えてください。これはどうやって製作されたのですか?インスピレーションはどこから得たのでしょう?
M: Ravenous ProductionのTrixie MalixnとBedo Trilloがこのビデオは製作してくれたの…Trixieは素晴らしいアーティストでミュージシャンなんだけど、政治的にも感情的にも女性のコンディションに詳しいひとなの…彼女は魔女とか人を殺す儀式みたいな雰囲気のアイディアを模索したビデオを作りたがってた。ビデオのほとんどは北ロンドンのハムステッドヒースで撮影して、半分日が陰っているところで、凍えそうなぐらい寒い中ね…
6. 全く楽器も触ったことがないところから18ヶ月でthe Moonlandingzとツアーしたんですよね。これはどうやって実現したのでしょうか?また、メンバーは皆仕事があったり、子育てをしながら楽器演奏を学んだんですよね。一体どうやってきたのでしょう?
M: 私たちは自分に厳しいし、自分で自分に挑戦したのは、これはお互いどれだけバンド活動に捧げていけるかっていうことなんだけど…だからひたすらリハーサルで曲を書いて演奏しまくった…皆リハーサルでは基本自分が練習してきたものを全て出し切ったの、皆日中は仕事があるし、小さい息子がいるメンバーも一人いるしね。ある日MoonlandingzのAdrianが私たちに一緒にツアーしないかって誘ってくれたんだけど、それがちょうど息子が生まれてすぐだったんだよね…MoonlandingzのLiasとはLiasがFat White Familyにいる時からBrixtonのQueen's Headで知ってたからコネがあったってわけ。
7. アルバム内でのお気に入り曲はTronなのですが、この曲のテーマはなんですか?
M: この曲は自然の権威と人間の今の状況について歌ってる曲。自然の力を説明しようとしたり、自然界を自分の手でデザインしようとする終わりなき探求の中で人間性がときどき失われてるような気がするの。この曲は最悪の悲しみを表現してるような感じかな…私たちは皆生き物で、このことはずっと覚えていないといけないと思う…
8. 曲のインスピレーションはどこから得るのですか?
M: 大体はお互い共通の経験からかな…人間観察とかお互いを笑わせてくれた状況とか、怒った状況、あとはいたずらとか…
M: このアートワークはある種シフト変更してくことについて描いてるの…インターネットで拾ったデザインを自分たちで作り直して模写したコラージュなんだけど、創造主としての女性を並置したの…ここでは彼女が破壊してるけど。そこには謝罪も良心の呵責も存在しないの。
10. Mother's funeralは曲名は暗いですが、曲はとても楽しげで面白いなと思いました。この曲は何について歌っているのですか?
M:これはBethが祖母の葬式に出た時のことについて歌ってるの…あとはBethの父親が葬式には出てくれなかった悲しみね…
11. このアルバムのテーマは何ですか?
M: 特にテーマはないかな…少なくとも意識してテーマについて話し合ったことはなくって。でも聴いた人の多くにネガティヴな女性のステレオタイプ像が描かれてるんじゃないかってコメントをされたんだけど、多分私もそうだと思う、でも特にそういう風にしようと思ったわけでもないし、特定のトピックについて書こうとしたわけじゃないの。
12. 観客にどうやって魔法をかけていますか?
M:これはいつも自分たちでも自問してるの…一回頭が空っぽなバカたちと演奏したことがあるの…これが魔法をかけた効果があったのか分かんないけど。今は猫の格好をしてるの、そしたらもっと熱心なファンが増えるかな…
13. 最近のロンドンの音楽シーンについてはどう思いますか?私にはあなたのような良いバンドがたくさん出てきてとても盛り上がっているようにみてますが。
M: この20年ぐらいは面白いアンダーグラウンドなバンドがたくさん出て来てると思う…もっとDIYなバンドがね…多分こういうのも感染っていくものだと思う…突っ込んでいく勇気のあるバンドがいち、にバンド出てくると、みんなそれに続いていく肝っ玉ができるしね。音楽業界が音楽を製作するお金があるけど、イマジネーションがゼロなひとたちに占有されてないことはすごく大事よね。
14. 日本のファンにメッセージをお願いします。それからこれからバンドを始めたい人にアドバイスがあれば教えてください。
M: スペシャルメッセージ?うーん…今朝チャリティショップで15ポンドで着物を買ったの。この着物が黒字に金の刺繍でドラゴンが描いてあるやつなんだけど、日本にファンがいることを誇りに思って、着て演奏するわね…そのうち”日本のファン”っていう曲を書こうかな。うん、絶対にね。
バンドを始めたい人にね…とりあえず始めてみて。BethもCharlieも最初は楽器が弾けなかったし、(中にはまだ出来てないとかいうやつもいるかもしれないけど、そんなやつくそくらえよ)Joanieは作曲したこともなかった…Stephは自分のベッドルームで演奏してただけだったしね。他人があなたに何と言おうとも謝ったり、心配しちゃダメ。彼らは怖がってるけど、あなたはそうじゃないから。でかい音出して、素直でいるのよ。
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