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Interview with LICE


LICE- Human Parasites




「僕が思うに、コミュニティがUKアーティストの間でどんどん出てきて、それに注目が集まってきてるんだよ」




こう書いていて嬉しくなるのは、UK Rockシーンがまた熱くなってきたと言えそうだからだ。

photo credit by Simon Holliday

<LICE>
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So Youngというカルチャー雑誌(というか音楽誌)がロンドンでは最近人気があって、
日本でもBig Loveのハルカさんや早耳リスナーな音楽ファンの間でも話題のようだけど、
ここで取り上げられているバンドも将来有望なかっこいいバンドばかりだ。(このバンドについてはまた多分後でブログに書きます)

Liceはその内の一つ。バンド名その名も「ノミ」。
ん?と思う人が絶対一人はいるであろうが、それが彼らの狙いでもある模様。笑

最近ここのところ盛り上がっているUK Sceneのバンドも何やら変なバンド名が多い。
SorryとかHMLTDとか、Shameとか。あからさまに検索しづらい。

今回はバンドのフロントマンであり、会った人みんなを虜にしてしまうらしいボーカルのAlastairにメールインタビューしました。

                                                        photo credit by Simon Holliday

(UKのアーティストって質問しても答えがすごい短い人たちが多いんだが、Alastairの長文アンサーに感激してしまったのでした。そしてちょっとでもわからないと言って質問するとすぐ返してくれる気前の良さ。メールでも人柄の良さがわかるなあ。)


1. バンドメンバーに最初会った時の印象はどうでしたか?大学の掲示板で知り合ったそうですが。

Alastair(以下A): SilasとGarethとはブリストル大学のライブ音楽組合のFacebookページで知り合ったんだ、その後ブリストルのパブで会ってお互いに交流を深めたんだよ。そしたらSilasの家に連れてってくれて、作曲中だっていうインストの曲を聴かせてくれたんだけど、それを聴いてぶっ飛んだね。

Garethは当時今とは全然ルックスも違ってたんだよ、ヒゲもちゃんと剃ってたし髪も短かったし。Silasはタートルネックのジャンパーをくれた。僕はすぐに2人とも好きになってた。Bruceとはバンドに加入する前に会ってたんだけど(前のドラマーにドラムキットを貸してくれてた)、彼のことも会ってすぐに好きになったよ、Bruceはすごくフレンドリーで物腰が柔らかい感じのやつなんだ。

僕たちが初めて会った時、彼が自宅にあった空っぽの地下室を見せてくれた。そこが僕らの練習スペースになったんだけど、そこで'Nutmilk: The Basement Dedos'をレコーディングしたよ。





2. あなたが歌詞を書く時のプロセスを聞いてとても面白いなと思いました。歌詞の言葉の意味というよりは、曲に合わせた時にどう言葉がサウンドとして聞こえるかということを重視して歌詞を書いているそうですね。これについてもっと詳しく教えてもらえますか?歌詞を書くのはバンドのインスト部分が完成してから取り掛かるのですか?

A: 最初はまずリズムにフォーカスするんだ、それからどんな意味を持たせようか考える。メンバーがインストを持ってきてくれるから、それを練習で聴いて、自分のケータイに録音する。家に帰って録った録音を繰り返し聴いて、それから曲に合わせて言葉をリズム的にどう合わせたら良いかを、ちょっと曲中でハモってみたりしつつ考えるんだ。

そこからシラブルがいくつあるかとか書き出してみる。どこにおさめる必要があるか、自分が出したいサウンドにするためにはどこに合わせる必要があるかをみて、それからその周りに言葉を入れてみるんだ。そんな風にして作ってみた最初の曲がGentleman’s Magazine (Dear Ben)だよ。たいてい僕が書く歌詞は風刺的で、一人称的モノローグの形を取ってて、人間の破壊的な偏見とか衝動を暴いたり、攻撃していくような短編ものになってるんだ。


3. バンドのFacebookページを見て、あなたの担当が「ボーカル」ではなくて、「ずっと叫んでる人」になっているのが面白いなと思いました。Silasが「レジェンド」になっていたのは、彼がバンドを作ったからだと思いますが、バンドメンバーについて紹介をお願いします。

A: Silasはバンドの創設者で、僕らの今のサウンドに影響してるバンドは全部彼が教えてくれたんだ。(The Country Teasers, Psychic TV etc.)Silasが一番年上で、一番理性的なんだよ、ステージに立っているときもすごく控えめだし、他のメンバーにずっと気を配ってるんだ。あとは、だいたいいつも”続 太陽のガンマン”のサントラにハマってるね。

Garethもそのサントラが大好きなんだよ、けどほとんどはSilasと正反対ってとこ。いつも予想がつかないし、自由で、ちょっと狂ってるというか…大体ライブで見た様子そのままだね。

Bruceはすごいメタルファンなんだ、あとはいつも僕らが作ったサウンドのいくつかにはちょっと戸惑ってる感じ、あとは一緒に演奏するバンドとかね。(特に嫌ってたのはThe Fallってバンド)Bruceはちょっとシャイだけど、シニカルなユーモアセンスがあるんだよ、あとは僕らの知り合いの女の子は大体Bruceのことが好きだね。大体は地下室で泥の清掃を立派にやってるよ。

4. 最近またUKの音楽シーンは盛り上がってきたように思いますし、新しいバンドが日本でも取り上げられてきています。最近のUKの音楽シーンは変わってきたと思いますか?

A: 僕が思うに、コミュニティがUKアーティストの間でどんどん出てきて、それに注目が集まってきてるんだよ、新しいバンド達はお互いもっと分かりやすいやり方で前に押し出そうとしてるんだ。ロンドンだとSo Youngがベースになってて、結構有名なバンドが増えてきてるね、ShameとかHMLTD、Hotel Luxとかはお互いそうやって助け合ってるよ。
こういうバンド、あとブリクストンでThe Windmill(バンド演奏をやっているパブ)やているTim Perry(バンドのブッキングを担当)は、このコミュニティの一部っていうことで僕らのことを歓迎してくれたんだ、僕らはブリストルの出身なんだけどさ、僕らがすごく良かったっていうんでね。このコミュニティでは、こういう新しいバンドが常にお互いをメディアに出してたり、ライブに出したりしてお互い上手く知ってもらえるように助け合ってるんだ。最高だね。


5. お気に入りのUKバンドはいますか?

A: 僕のお気に入りのイギリスのバンドはThe Naturalsだよ、ブリストル発のエクスペリメンタルロックバンドで、インダストリアルとかエレクトロニカ要素があるバンドなんだ、本当唯一無二っていうサウンドだね。




ブリストルにはかなり前進的な考え方をするバンドが多くて(Giant Swan, Silver Waves, Scalping etc.) みんなギターバンドの一部構造とか美的要素をめちゃくちゃにしたり、アグレッシブなエレクトロ音楽にしてみたりしてる。ロンドンにも最高なバンドがいて、Yowl, Bo Gritz and Hotel Luxとか、グラスゴーだとSweaty Palmsとか、ポーツマスにはMelt Dunesっていうバンドがいるね。


6. 最近あったライブでの思い出を聴かせてください。

A: 最近ブリストルでやったライブがとても良かったんだ。The Naturalsと初めて一緒に演奏したんだけど、ヘッドライナーがPsychic TVで、(僕が最も影響を受けたバンドの一つ)すごく楽しんだ2時間だった。ライブが終わった後も、Genesis P-Orridgeと座って話したりしてたらドアをノックする音がしてさ。で開けたら小さい男の子がいて、(10歳ぐらいだったかな)Throbbing GristleのTシャツの上にPsychic TVのバッチがいっぱいついたジャケットを着てたんだ。そしたらGenesisのところに歩いて言ってこんな質問をしててさ。「William S. Burroughsってどうだった?」とか「MarxってEnglesをコピーしてると思う?それともその逆かな?」、「インダストリアルミュージックっていう表現を使う最近のアーティストってどう思う?」Genesisがやったインタビューでも一番最高だったって思ったね、正直なところ。



7. あなたの個人的なfacebookページを見たのですが、BBC introducingでビデオグラファーをやっているんですね。これはバンド活動の一環ですか?

A: 時々地元のバンドのライブセッションをBBC Introducing in The West用に撮ってるんだ、ただの無給ボランティアとしてね。LICE以外では音楽ジャーナリズムで働いてるし、ほとんどの時間は素晴らしく豪華で、ぶっとんでるんだけど、国内のプレスにはあんまり取り上げられてないブリストルの音楽シーンのプロモーションに時間を費やしてる。過去数年間はブリストルはいくつかのDIYレコードレーベル、例えばHowling Owlとか、の拠点地になってて、イングランドで最もエキサイティングで前進的な音楽をリリースしてきてるんだ。ミニドキュメンタリー仕立てのシリーズ物でブリストルの音楽シーンを取り上げたビデオを学生向けのUBTV (‘The Howling Owl Family’/ ‘Bristol’s Golden Age’)っていうテレビチャンネルで撮ったことがあるんだ。もし興味があればYouTubeから観れるからね。昔のThe Naturalsのはここから観れるよ。






8. バンド名を「ノミ」にしたのはなぜですか?ちょっと変わったバンド名ですよね。

A: 僕らはワンワードかワンフレーズで聞いた人がちょっと動揺するような言葉にしたかったんだ、かつグロテスクじゃないやつでね。Scraping Foetus of the Wheel’ (それかなにかJim Thirlwell Foetus monikerみたいな)みたいな名前で同じくちょっといやーな感じが伝わるやつで、暴力的な図が浮かんで来ない言葉とか。いつもこのバンド名について褒められたときはびっくりするんだ、Psychic TVのサポートをやったときはGenesis P-Orridgeが僕らのバンド名が好きだって言ってくれて、びっくりしたよ笑。バンド名を決める時ってすごい大きな決断っぽく思えるけど、数ヶ月もしてくると違う名称みたいに感じてくるんだよね。実際自分のバンド名について話したり、読んだり、聞いたりしても本物のノミのことなんて考えたことないんだよ、変なことにさ。


9. 最近は何を聞いていますか?オールタイムベストも教えてください。

A: 今書きながら、CashuwのGap The MindっていうEPを聴いてるんだけど、Cashuwはエクスペリメンタルアンビエントのアーティストで、カーディフ出身なんだ、機械とか公共交通のフィールドレコーディングをサンプリングしてる。あとは最近SpectresのCondition(今の所僕の中では年間ベストアルバム)とか、Sweet BabooのImagination、Bo GritzのYou Just Coverっていうシングルを聴いてるよ。でもこのに2年ぐらいはOliver WildeのRed Tide Opal in the Loose End Wombがお気に入りのアルバムだったんだ。

ぼんやりしたエレクトロフォークはエリオットスミス好きな影響で全体的に砂が入ったみたいなちょっとノイジーなベッドルームプロダクションなんだよ。ほとんどの人は(Oliver含めて)これは一番出来が悪い作品だって言ってるけど、僕はほぼほぼこればっかり聴いてる。最近このアルバムでお気に入りの曲はPullって曲。

10. あなたのボーカルスタイルは、荒削りで尖っていて、ラップするところも凄く好きです。誰か参考にしているシンガーはいますか?尊敬しているシンガーがいれば教えてください。

A: ありがとう、そんなこと言ってもらえて嬉しいよ。僕のボーカルスタイルは基本的にThe FallのMark E. Smithスタイルがベースになってるんだ。今ではイギリスのバンドでもこういうボーカルサウンドを取ってるところは多いね、Girl Band, Shame and Bo Gritzとか。僕がこういうボーカルスタイルを取っているのはただこれがずっと僕にしてみればナチュラルに思えたし、それにこれがバンドのサウンドにも合ってたからなんだけどさ。僕が好きなシンガー(Oliver Wilde, Robin from The Naturals, Gabriel from YOWLとか)は僕のとはちょっと違うボーカルサウンドに聞こえるね。


11.  ”Gentleman's magazine Dear Ben)”について教えてください。何回転調するところがあったり、とても面白くてかっこ良い曲だと思いました。ちなみにこのBenとは誰のことなんですか?

A: どうもありがとう。この曲は先に説明したやり方で書いた最初の歌詞なんだ。SilasがBen Wallers(The Rebel/ The Country Teasers)に紹介してくれたんだけど、すっかりファンになっちゃって、どういつボーカルサウンドにしたいかを決めた後で、Benが書くみたいな皮肉っぽい歌詞が書きたくなったんだ。

それからThe Country Teasersの‘Panty Shots’っていう曲から最初の歌詞は取ったんだ(‘don’t need a gentleman’s magazine’っていうのは‘for a gentleman’s shiny magazine, I don’t have much need’っていう歌詞から取った)、残りはミソジニーに関する皮肉についてだよ。この曲はなんていうかBenに捧げる形になって、最後は”お礼の言葉”みたいになった。

12. ”Ted's End”という曲ではトランペットのパートがすごくかっこいいですね。ちなみに他の曲ではこうしたトランペットの曲はないですが、誰がトランペットはやってくれているんですか?

A: トランペットをやってるのはHarry ‘Iceman’ Furnissだよ、ブリストルのライブバンドの中でも一二を争うぐらい上手いんだ、The Iceman Furniss Quintetっていう即興ジャズバンドのメンバーをやってる。時々ライブでその曲を演奏するときは一緒に入ってくれるんだよ。Tedは曲中の架空の人物。散々踏みにじられて辛い離婚を経験した後、Tedは末期の病気だと言われて、余命一ヶ月残したところで、執念深い元妻を殺すんだ。だけど、医者が間違ってたことがわかって、全く末期の病じゃなかったんだけど、死ぬ前にその結果に向き合わなきゃならなくなるっていうことにはならなくて、Tedは逮捕されて、死ぬまで投獄されるんだ。


13. 今年のこれからの予定を教えてください。

A: 今計画にあるところだと、いくつかサマフェスがあって、あとはThe Rebel(Gentleman’s Magazine (Dear BenkのBenね)とロンドンのライブがあって、あと今年後半はイギリス国内のツアーがあるよ。日本でいつかライブ出来たらずっと良いんだけどね、多分チャンスがあればすぐに行くよ!

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