正直イギリス人のブラックジョークというと、大爆笑っていうよりは失笑、っていうのが多い気がしたが、この映画はとりあえず開いた口がいろいろと塞がらない映画。
Kingsman、という名前そのものがなんだかジョークのようだが、まあきっと笑っても許してくれるだろう。アメリカ人にとってのヒーローがCaptain AmericaやBatmanなら、イギリス人にとってのヒーローは兎にも角にも原点はアーサー王物語(一番活躍するのはランスロットだが)なのだろう。
Collin Firthといえば”King's Speech”で、威厳のあるが感動的なまさに王すら演じた俳優だが、今回は王アーサーではなく、円卓の騎士の一人である。(ちなみにランスロットではない…)それぞれにコードネームがあるのだが、それにしても教育係がMerlinというのは………笑
主人公は命を呈してHarry (Collin Firth)達の命を救った恩人の息子Eggsy。今作ではコードネームすら貰えないが、結局一番活躍し、世界を救う。(ていうか他のKingsmanはこの間何処へ……)Eggsyの代わりにコードネームを貰ったRoxyことランスロット(女の子が円卓の騎士とは素晴らしい時代)は、高所恐怖症(パラシュート恐怖症?)だがもはや身体能力がありすぎるHermioneだ。
と、特に何か言いたいことがあるわけではないのだけど、庶民がスパイになって世界を救う映画が大好きなこの監督のジョークは最高すぎるということだ。
町山さんもおっしゃる通り、James Bondが好きすぎるひとが作ったKick Assなのかもしれない。EggsyがHarryから紳士になるためには、といって習ったのは兎に角マナー(入る前にノックする、座る前に許可を取るとかだが)と、なぜかマティーニの作り方だ。もちろんウォッカではなくジンで。ステアではなくシェイクで。
コードネームも、どちらかというと本名がバレない為というよりは007ごとくコードネームが欲しかっただけだったりして。。
グロいシーンは確かに多いが、あまりにコメディーすぎて、これは何かの祭りですか?という勢い。
スーツを着たことがなさそうなEggsyが成金が着ていそうなギンギラギンのB系ファッションx Paul Smith的ファッションなのが、段々と紳士としてのクールさを身につけていくのも見ものだが、常に冷静なHarryがクールに狂って殺しまくるのも、おかしいながらカッコよすぎて惚れ惚れしてしまう。これだけでもこの映画は観る価値があるだろうな。
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