Best Album of 2014
ノイズ大好きサイケ大好きな私ですが、2014年はまさにPOPの時代だったんじゃないかと思いました。Taylor Swiftのアルバム"1989"はまさにそのPOPの金字塔というか、ザ・POPを象徴するアルバム。
Taylorはデビュー以来何気なくずーっとアルバムも毎度ちゃんと聴いてきたけれど、このアルバムが彼女のベストなんじゃないかな。Taylorが生まれた80年代のPOPを意識して作られたアルバムというだけあって、原点に立ち返ったように思えるアルバムだけども、彼女自身のルーツである(?)カントリー色はゼロに等しくて、まさにこれがデビュー作なのか、それとも生まれ変わったのか。
これまでもこういうカントリー抜きのPOPな曲はあったけれど、ここまでカントリー色を抜いて打ち込みやエレクトロ要素が加わって、まさに新生Taylorなアルバム。
でも、このアルバムが好きだと思えるのは、80sの要素を大胆に入れたカントリーシンガーのPOPなアルバムだからというのが唯一の理由ではありません。
まず、Taylorにはここ2年ぐらいステディな恋人がいないこと。(笑)恋人をとっかえひっかえしていることでも有名なTaylorが、逆にそういう世間の声を逆手にとって作ったこの曲が、まさに世間を見返してやっている、しかも最高にPOPでリズミカルで、思わず口ずさみたくなる曲なのは、もう皮肉たっぷりというか、最高。本人は、あくまで自分のことではなくて、こういう女の子がいたら、という空想で書いた、とコメントしてますが、むしろ私はTaylorが自分のことを書いた曲だった欲しい、と願っている。
それから、今年はEmma Watsonが国連でスピーチした"He for She"で、新しいフェミニズム(フェミニズムの悪いイメージを払拭して、フェミニズムは女性=男性の同等な権利を求める)が世間に広まったけれど、Taylorはそれを先導しているということ。
「男の人は自分の気持ちを正直に書いた曲を発表するとよくやった、ってなるのに女がやるとあいつはやりすぎ、と感情的すぎるとか狂ってるって言われるの。それか『いまにお前のことを曲にされるぞ』とか言われるけど、そういうジョークって古すぎるし、こういうのは性差別から来てる」っていう発言、まさに大喝采もの。
ちなみにここ最近独り身を楽しんでいるTaylorがいかに自分が独り身であることを樂しんでいるかをひとに言うと、すぐに相手が見つかるよ、って言われるの、っていう発言も最高としか言い様がない。
2, Tinashe / Aquarius
おそらく今年二番目に聴いたアルバム。リリース元はRCA Recordsとメジャーだけれども、コラボレーションにDev Hynes等、絶対インディーミュージックファンも気に入る作品。
これが一応デビュー作ではあるけれども、デビュー作リリース以前にもミックステープをリリースしているのでそちらも必聴。今後期待な歌姫。
3, Ariana Grande / My Everything
今年一番聴いたアルバムがこれ。(順序はさておいて)
Ariana Grandeはなんとなく90sっぽいスタイルといい、"ザ・売れ線"な音楽性よりも"我が道をゆく音楽流行路線"なところにすごく好感が持てる。同じ年に出た前作もすごく好きだったけれども、あれはあれでかなりメジャーなR&B色が強すぎて、ちょっと敬遠してしまって終了。
Iggy Azaleaとコラボしたこの曲が最高によかった。
4, Raspberry Bulbs / Privacy
正直2013年のDestruction Unitの代わりを探し求めていると辛いものがある...そんな中出会ったのがRaspberry Bulbs。このピンクのジャケにTy Segallとかを思い起こさせるプリント。うん、最高。
アルバムも全体的に疾走感溢れるガレージロックを全編にわたって披露しているが、まったく飽きない。こういう狂ったアルバムを探していたんですよ。
5, Swans / Oxygen
Swansも今作にしてかなりPOPになったなあ、と思わざるを得ない。。サイケが苦手な人でも絶対このアルバムは聴きやすいはず。どちらかというとポストパンクっぽい軽さ。それにしても、去年のアルバム以降一般(?)インディーファンにもSwansファンが増えたというか、聴く人は増えたように思う。
6, The Body / I Shall Die Here
The Haxan Cloakがコラボしたこのアルバム、まさに"死にたくなる"アルバムである。やっぱり、それほど気分が落ち込んでいるような日は聴くべからず。実はHaxan Cloakがコラボするまで存在すら知らなかったThe Bodyだが、その実態はドゥームメタルバンド...
2015年はきっとドゥームメタルが流行るに違いない(私の中で。)
7, Temples / Sun Structures
実は演奏が下手だとか、どっかのパクリバンドにしか聴こえないだのというコメントはどうでもいい。ただそのアルバムが完璧であればそれでいいのだ。
まさに、私が今年聞いたアルバムの中で「これぞ完璧なアルバム!」と思ったのがこのアルバム。
たしかに60年代のUK Rockの空気そのままではあるけれども、しかしアルバムの完成度が100%でありすぎるがためにそんなことはどうでもいいのだ。
8, Iggy Azalea / Reclassified
Charli XCXとのコラボ曲"Fancy"はもう絶対に聞いたことがない人はいないだろう、と言わせるほどのヒットを飛ばしたIggy。その完璧すぎる容姿といい、そのスターダムを駆け上がるIggyを止められるものはもはや誰もいない、だろう。
実は今年までヒップホップはなんとなく遠い存在だった。カッコイイし、色々聴いてみたいけど、ちょっと手が遠い。ガチな作品はちょっとわかりにくいし、それに怖い。そんなイメージを払拭したのはもしかするとこの白人女性ラッパーIggyなのかもしれない。だって、日本でヒップホップ聴いている女の子ってそんなたくさんいます???絶対このIggyの存在によって、確実にヒップホップはイマドキの若い女の子にとってもちょっと近い存在になったに違いない。(それが本当に良い意味、方向性なのかはさておいて。)
MØとのコラボ作品でトラップっぽいこの曲も最高。
9, Run the Jewels / Run the Jewels 2
Run the Jewelsのアルバムは本当にフリーでいいの...それ?となるぐらいクオリティが高すぎる。
前作はどことなくEl-p色が強すぎるトラックが多かったイメージだけども、今回はあんまりそういうこともなくて、ただもう痺れるかっこよさ。
10, Ty Segall / Manipulator
USのガレージロッカーはいつになく死に急いでると思えるぐらい多作だし、その間隔が短い。
その代表格はThe MenとTy Segall。
この作品はかなりリスナーの間でも賛否両論だったみたいだが、わたしはこの作品がまさにTyくんの集大成というか、ベスト作品のように思える。今までのがちゃがちゃロックンロールとはうってかわって、なんだかサイケデリックで60sのにおいがぷんぷんするアルバムだが、そこににじみ出るTyくんの魅力が溢れ出る作品。
この作品は確か亡くなったお父様に捧げられたアルバムだ。君まで死に急がなくていいんだよ、と言いたいところだが、今年早速アルバムが出るらしい。まだ、死ぬなよ。
11, Lost Tribe / Solace
The Avant! Records(Cult of Youthのメンバーが創設したレーベル)から、だっさすぎるおっさん達のポストパンク。いや、マジでダサい。でも曲が半端なくかっこいいから許す。
12, Spoon / They Want My Soul
最初新曲が出たとき、あれ、これは私の知ってるSPOONと違う、どうしよう、なんて焦ったけれど、心配は無用だった。安定のUSインディーの雄、Spoonの新作は相変わらず安定だった。
このMVが最高によかった。
13, Charli XCX / Sucker
前作のデビューアルバムは正直あまりピンと来なかったけれど、この作品がまさに最高!といえるアルバムとなったのは、今作からバンド編成になったこともその要因の一つだろう。
この"Break the Rules"のライブ映像、最高すぎる。いやはや、最後ステージをぶっ壊すPOP QUEENっていないだろうよ、と思わせるまさにバンド編成ならではの迫力っぷり。
でもわたしが好きなのはこのMV。
まさに90sなMV。
14, Warpaint / Warpaint
Warpaintのデビュー作は、まさに衝撃だった。儚げな女子がかき鳴らすPortisheadのごとき鬱屈とした音楽は、もうまさに病みつきになった。
それがFoalsのプロデューサーFloodとRadioheadのブレインNigel Godrichを加えてミニマルなダンスアルバムへ変身を遂げた。まあこれこそ賛否両論なアルバムであったけれど、Warpaintの要であるリズム隊の魅力を前面に押し出したという意味では、すごく良いアルバム。だと思う。
Therethaの儚さが大好きだけど、Hostessで観たTherethaはなんだか昔のSharon Van Ettenというか、ホームレス臭というか、生活保護受けていそうな悲壮感が漂っていた...
15, Iceage / Plowing Into the Field of Love
デビュー以来、まさにスターダムをのし上がってきたIceageだけども、ここにきてまたすごいなんといっていいのかわからない作品を出してきたな、感。不良のロックンロール、といわれてたしかに、と納得してしまったが、今までにあったパンクで危ない野郎の匂いは一切しなくて、愛に満ち溢れたちょっとめんどくさそうな不良達、のアルバム。一体これから奴らはどこに向かうんだろう。
16, Alex G / DSU
これぞ、ザ・良質フォークソング。最近人気のOrchid Tapesからのリリース。
見た目はおおお、、、となってしまうナード君だけど、曲は最高に良い。
17, Cherry Glazerr / Haxel Princess
2014年初めにでて、結構話題になったアルバムだったけれど、最初は全く興味が持てなくて、ジャケ写だけ最高じゃねえか、と思っていた。
けれど、2014年も終わりに近づいた頃聴いてみたらかなり良くて一気にハマった。特にメンバーは演奏がうまいわけでもないけれど、若さ溢れるガレージロックが心にしみる。ボーカルのClementineの可愛いけどハスキーでパンキッシュな声とヴァイヴに満ちたガレージロックが最高に最高。
18, Giant Claw / Dark Web
最初このジャケをみたときは、ヴェいパーウェイブ野郎もまだいたのか、なんで話題になっているんだろう、ぐらいの印象だった。曲はヴェイパーというよりも、狂ったテクノだけど、やっぱり狂ってる。でもいい。メンバーの実態すら謎。
19, Puzzle / And Then Suddenly, Like Magic!
The Gardenの片割れ兄弟のエレポップ(?)ソロ名義。Enjoyは全部1ドル以上でリリースしているけど、なぜかPuzzleは大体name your price。
まあそんなことはさておいて、このアルバム、ヒップホップを取り入れたエレクトロポップになっていて、最高によかった。あのへろへろな歌声と、悪ガキっぽいちょいゆるなトラックが良い感じにマッチしていて、大好きなアルバム。
20, Shellac / Dude Incredible
相変わらずご健在でいらっしゃるSteve Albini大先生。料理ブロガーだけで満足する日はまだ遠い。このくまのジャケも最高に良いが、曲もいい。大推薦。
21, Shabazz Palaces / Less Majority
22, Kevin Drew / darlings
23, Dean Blunt / Black Metal
24, Royal Blood / Royal Blood
25, Lower / Seek Warmer Climes
26, White Void / We're Falling
27, J Mascis / Tied to a Star
28, Young Magic / Breathing Statues
29, Sharon Van Etten / Are We There
30, Jock Club / Intersteller Dub
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